『 鏡の中を数える 』 タイおすすめ本 タイ文学・タイ王国関連書籍・タイ旅行ガイドを徹底的にかき集めてみました
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プラープダー・ユン, 宇戸清治(翻訳) |
タイの若手人気作家プラープダー・ユンによる、待望の和訳短編
小説集。一部タイファンの間では、かなり待ち焦がれられていた、ウワサの本で
す。2002年、29歳にしてタイの最も権威ある文学賞である「東南アジア文学賞」
を受賞した『存在のあり得た可能性』を含め、これまでタイで発表されてきた彼
の人気短編集などの中から、日本でも受け容れやすい12編が選ばれ、東京外語大
の宇戸清治教授の手により翻訳されました。短編の多くには実験的アイディアと
タイ語の言葉遊びが散りばめられつつ、日本の日常にもそのままあてはまるほど
リアルな現代へのクールな視点もみずみずしく光り、読む者に不思議な読後観を
もたらします。著名な父を持つがゆえに「親の七光り」と向き合わざるを得ない
複雑な自我を描いた「バーラミー」や、手から紙片が滑り落ちてから、屈んでそ
れを拾うまでの間の長大な追憶「存在のあり得た可能性」など、その新鮮な構想
力と、散弾銃のように続く濃密でピュアな言葉の連射は「文芸アート」とも言え
るもの。最近のライトノベルブームとは一線を画す、東南アジアの文学の季節が
送り出したニュータイプ文学として愉しんでいただけるでしょう。
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