春の雪 豊饒の海
三島由紀夫の『豊饒の海』四部作の第一巻です。大正初期の貴族社会を舞台に、侯爵家の嫡子松枝清顕と伯爵家の令嬢綾倉聡子の、結ばれることのない恋を描いています。シャム(タイ)から日本に留学してきた二人の王子が清顕の友人として登場し、重要な役割を果たします。そのうちのパッタナディド王子の婚約者の名前がジン・ジャン(月光姫)で、タイを舞台にした第三巻『暁の寺』へとつながっていきます。夢と転生の物語の始まりとなる巻です。1990年に新潮社から刊行された版です。『暁の寺』を読む前に、物語の始まりから味わいたい人に向いています。